date:2021.09.15
本屋さんの端材Parallel world - 文喫で出逢った端材から生まれたエトセトラ -
六本木 文喫、都会の本屋さん
私たちは日頃、様々な目線を持ち合わせ、モノを見ている。どうってことはない、「いつも」の記憶は薄く、遠ざかり、追うことはない。もはやできないのかも。置き去りにされていたモノと見方をまちがえて、あそんでみた。案外、いいんやって。
階段下の隙間で、「もうひとつの文喫」を描き出す
文喫で出逢った端材を採取し、考察・実験を行い、価値変換の実証として作品制作を行うアートプロジェクトです。今回の素材は、2021年7月から8月にかけて文喫から採取したものです。全6作で構成されており、作品を通して、普段の文喫とは異なる「もうひとつの文喫」を体感してもらう試みになります。
空間に馴染むのは、ここで使われていた端材だから?
今回の取組を通して思ったことは「意外と文喫の空間に馴染んでいるな」ということでした。はじめは作品として主張が強すぎて浮いてしまうのではないかと思っていたのですが、これは意外な発見でした。この理由について考えてみたのですが、答えはシンプルで「素材自体が元々ここで使われていたものだから」ではないかなと思います。モノには少なからず、その場所で使用されていた記憶のようなものが宿るのではないでしょうか。今回の取組を通して端材の新たな魅力に気付くことができました。
文章 : 山野恭稔