Palab parallel laboratory

EXHIBITION
#03 京都
date:2017.02.01

ハザイの実験型展示

面白いハザイと実験のプロセス展示

MTRL京都(マテリアル京都)にて京都Design weekに併せ行われたPalabの展示会「parallel laboratory ・(てん)」。この展示会ではPalabが様々な所で発見したハザイの中からセレクトした面白いハザイの紹介と、そのハザイから見えてくる可能性の実験を展示した。展示構成としては各ハザイごとのコーナを用意。各コーナーで様々なハザイの情報と実験を見ることができる。

展示全体

端材をよく観察すると偶に「グッ」とくる

palabの基本スタンスとしては面白いと思ったハザイを見つけ、観察→実験→検証のプロセスでハザイの可能性を考えることにしている。

初めの観察ではハザイのバックボーン(どうしてこの形になったか)はもちろんのこと、ハザイ自体の材質や形状、色などの特徴を細かく細分化して観察し、出来そうなことを見つけ出す。

そしてそのハザイが出来そうなことを一つ一つやってみる。(材質がゴムだったらひたすら伸ばしてみるなど)そうすると偶然にも何かになりそうだったり、感覚的にグッと来たりするものが見えてきたりする。

今回の展示ではそれらのプロセスを一覧で見ることができる展示であった。

実験を経て出来たもの

ハザイの紹介や実験のみならず、実験の結果何が生まれてどのようになったかを知ってもらうため、実験を経て作品などへと展開したものも併せて展示を行った。

滞在し、周辺の工場で見つけた端材も探索、展示

今回の展示期間中滞在制作も行い、周辺の工場などから出るハザイを調査し、随時展示に追加していった。

その中で特に面白かったのが印刷工場から出る「印刷の機械の中に残っているインクを最後に拭く布のハザイ」だ。印刷工場ではCMWKの色ごとに機械があり、印刷し終えると最後にインクがたまるらしく、それらを拭き取るらしい。そして拭き取った布は廃棄されるのだが、よく見ると狙っては出せない色合いがなんだかカッコよかった。

印刷工場の端材

「意図しないものはワクワクする」という視点の共有

今回の展示では、ハザイの紹介から実験、そこから見えてきた作品まで様々な形で展示を行ったのだが、詰まるところ僕らはこれらのハザイ(意図せず偶発的に出るもの)を見るとワクワクしてしまうのだ。今回の展示で総じて伝えたいことは、そんな気持ちや視点を共有できればと思い行った。人が意図して作り出したものからハザイとして生まれる「意図しないで出てきてしまうもの」を丁寧に観察するとなんとも不思議なものが出来上がる。そんな世界(parallel World)を今後も創っていきたい。


文章 : ナカザト ヨウスケ

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