Palab parallel laboratory

EXHIBITION
#01 東京
date:2021.11.01

必殺LANケーブルの端材

LANケーブルの端材(Colorful Cable)とは

Palabの18(オハコ)と言ったらLANケーブルの端材。なんなら全てはこの素材から始まった思い入れのある端材シリーズ。ここではLANケーブルの端材(Colorful Cable)を使った実験プロセスや展示をピックアップして紹介したい。
まず、この素材はLANケーブルを精製する上で排出されるケーブルの被膜剤である。形状は線状になっており、色は主に赤、青、緑、黄、水色、オレンジなど原色が多い。線の太さは細いものから太いものまで様々。群馬県にある産業廃棄物工場のナカダイにて発見したのがきっかけ。

実験する上で見えたもの

この素材を幾度か実験していくとポリエチレンというプラスチックの一種でできていることがわかった。ポリエチレンは熱で溶け、形状を記憶するという特性があるため、その特性を利用し様々なことをやってみた。そしてそのうち、物にこの素材をまとわり付かせ熱すると、物のシルエットが浮かび上がることがわかり、カラフルな線の色や、線の太さが細いのから太いものまである素材が故に、色鉛筆で空間に絵を描いている様に思えた。

実験の流れ

外側の世界を描く素材 _ ネガ・ポジ

とにかく身の回りの物をこの素材で色々と型取ってみたところ、不思議なことに、いつもみている風景とは全く違う景色が立ち現れてきた。
そして次第に物の外側を線で型取る行為は物の反対にある世界を線で描き出すことなのだろうかと、勝手に妄想を膨らませていった。つまり写真で言うネガ・ポジにあたるところの「ネガ」の世界だ。

企業コラボ(TOMORROLANDなど)

この素材で空間に絵を描くシリーズを作っていくうち、様々な企業ディスプレイの制作なども行った。例えばTOMORROLANDと行ったディスプレイでは、服のディスプレイとのコラボだったので、「その服から連想される架空の人の日常の世界を描き出す」をコンセプトにディスプレイしてみたりもした。

端材の楽しみ方は「観察→実験→妄想」を繰り返す。

人は妄想する生き物だ。

と、少々鼻につく言葉だが、この様にPalabは端材(意図しないもの)を見つけ、観察→実験→妄想の順で楽しむようにしている。僕らはColorful Cableとこの素材を勝手に名付けているが、本来意図しないで出てきてしまう端材は名前もなく、ほとんどの人がその存在を知らない。しかしそんな、作られた意図もない、名前もない、誰も知らない素材だからこそよくみてみると妄想を掻き立てられるのではないだろうか。


文章 : 中里洋介

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